ONさんのご尽力で afplay の良さが瞬く間に知れ渡り、様々なところで各種の再生方法が生まれています。素晴らしいですね。MLT もごく最近まで諸事情で絶対に公開しないつもりでしたが、こうして皆さんに使ってもらえてよかったと思っています。

MLT 以外にも iTunes-afplay やコンソール再生が話題です。これらはたしかに再生品質の差はありますが、「どれが一番優れている」といったものではないと考えます。各人各様に「利便性と再生品質のしきい値」が違うからです。

iTunes-afplay は iTunes のライブラリで音楽ファイルを日常的に管理している人の要望に応えています。私たちは iTunes をver.8 で見限っていますので、iTunes との連携は最初から考えにありませんでしたが、必要な人にはどうしても必要です。再生品質と引きかえてでも iTunes と連携させたいと望むのは、その人にとってそれが「適切なしきい値」だからです。優劣ではありません。

MLT は「Terminal.app でコマンド再生はメンドクサイ」という要望に応えています。加えて私(toposcope)は所有している Mac は1台だけ、そこでメールやWeb、ソフトウェア制作などすべてをまかなっています。つまり音楽再生をしながら他の用途でも Mac を使うのが前提です。さらに Muse Labs には Mac にそれほど詳しくない人もいるので、そういう人も使えるようにするのは大事なことです。GUI 環境でなるべく良い音で再生する、これが私たちの「適切なしきい値」です。

コンソール再生は、言ってみれば「しきい値がない飛び抜けてギークな人々の方法」です。ピュアリスト・アプローチと呼ぶ方もいます。再生品質はこれが最上で、GUI では不可能なレベルであることが一聴して分かります。どこまでも音質を追求し、しきい値を設けないことがピュアリストにとっての適切さです。

私たちは、それぞれの望む適切さで音楽を楽しむことが素晴らしいと思っています。


追記 1
コンソール再生の利点は、音質の良さのほかに「どの音がデジタル再生由来なのか」の切り分けができることです。デジタル再生由来の嫌な音は発生源であるデジタル再生側で対処すべきで、それを他のオーディオ機器側で調整してしまっている事例があまりに多すぎます。こうした泥沼を避けるためにも、コンソール再生の音は聴いておいた方がいいと思います。


追記 2
個人的な本音を言うと、こんな音の良し悪しなんかまったく気にしないで音楽を楽しみたいと思っています。オーディオにうんざりすることがよくあります。
 


Comments

06/07/2010 8:04pm

PCトランスポートは音が良くありませんから気になるのは仕方ないですね。
オーディオの品位を左右する要因は、素子/電源/ケーブル/スピーカー…と多岐にわたりますから、
うんざりしたときはその目先を変えると思いがけない発見や収穫があったりします。
目的はもちろん、音質なんか気にせず音楽を楽しむため!

Reply
toposcope
06/07/2010 9:19pm

デジタル再生、とくに DAC は電源が命ですね。
係長さんのアドバイスで duet を FireWire リピーター経由でバッテリー給電した時はもうぶったまげました。

その他いろいろと手をかけて、今では十分満足してます。オーディオはもういいです。これ以上はやりません〜

Reply
RE3noRE
06/07/2010 9:20pm

音の良し悪しを気にしないで音楽を楽しみたいというのは同感です。
でも時に音楽を楽しめない音が出て来てしまうとなんとかしたいと思うのが人情です。その何とかしたいと思う基準がその人の閾値ですね。
よい音のCDトランスポートは自動車を買えるくらい高額なのでMacトランスポートを試行し,相当ハイレベルな音まで達しましたが,その装置の異様な姿に辟易して解体し,シンプルな姿に戻りました。この状態でMuse Lab ToolsやConsoleでの再生はとても有り難いメソッドでした。感謝します。
といいながら今は再びCDトランスポート又は一体型CDPに戻ろうかとも思っています。理由は外観上装置を単純にしたいこととちょっとしたOS等のソフトの変動(特にバージョンアップ)による音の変化に翻弄されたくないということです。これもまた閾値です。

Reply
toposcope
06/07/2010 9:39pm

そうそう、そうなんです。オーディオ機器のみならず、自分自身にも辟易してしまいます。

> OS等のソフトの変動(特にバージョンアップ)による音の変化
これ、HD の断片化のせいもあるのではないかと疑っています。OS X はアップデートを繰り返すたびに断片化しまくってグチャグチャになります。iDefrag でデフラグしたら、音の変動がほとんどなくなったような気がしました。

Reply
Violon_TD
06/09/2010 6:01am

お使いのMacはBookでしょうか?デスクトップでしょうか?マシンによる音質の変化がかなりありそうなので、確認をいたしたいのです。

Reply
toposcope
06/09/2010 10:07pm

昨夜はクリーニングについてコメントしましたが、よ〜く考えると、これはまったくキリがない方法で、しかもクリーニングすればするほど(たしかに音質は向上するものの)システムの微細な状態の変化がより過敏に音に出てくるようになります。再生品質が安定しないのです。私の性格では「これなんとかならないの?」と思ってしまいます。

先日、信助さんがブログのコメントでこう書かれていました。
「昔、マシン語でデータのI/Oを書いていたものとしては、OS自体が負荷と感じてしまいます」
http://blog.goo.ne.jp/nobusukesan/e/0c0e44b7a409a45a8b18b35139fda913#comment-list
私はまさにその通りだと思います。

PCオーディオは、安価で高品質な再生を可能にするものです。しかし今後はこの経験から「PCを使わず安価で高品質な安定した再生」を模索した方がいいような気がしています。

Reply
RE3noRE
06/10/2010 3:02am

>「PCを使わず安価で高品質な安定した再生」

それでiPod+Wadia170+DACに走ったのです。でもコンソール再生には負けてます。

またCDPの中のコンピューターこそ汎用OSのない専用コンピューターじゃないかという思いもしてきますね。

Reply
toposcope
06/10/2010 9:29am

RE3noRE さん
このブログ公開も一段落したので、今日はちょっとひさしぶりにレコードを聴きました。ミルシテインの仏コロンビア盤のヴィバルディの協奏曲、あのキリっとした演奏をパテの美味しい音で味わえます。デジタルより音が良い悪いなんていうのとは全然別のところで、私は聴いていて落ちつくんですよねえ。

で、再生品質が安定しないのはレコードも同じですね。ほんの些細なことで音が変わるのも同じ。でもそれに違和感を感じないのは、その変化が私たちの身体感覚で理解できるからだと思います。シェルのネジのトルク、ターンテーブルシートの硬さや手触り、等々。

それがPCオーディオになると、その音変化は身体感覚とは乖離したところで発生している印象を受けます。感覚を通した理解ができない。だから一方的にふりまわされているようでイヤになってしまう。PCのクリーニングをある程度経験すると、なんとなく感覚や勘所がつかめてくるようにはなりますが、ますます過敏に音変化するようになるので「ふりまわされ感」は減らないんです。(オーディオ自体がそういうものだという指摘もありますが…)

このブログでは「こうすれば音が良くなる」だけじゃなくて、ちゃんとそうした「やっかいなことになる」負の面も書くべきだよなあ、と思っています。

Reply
toposcope
06/10/2010 11:19am

RE3noREさん
> CDPの中のコンピューターこそ汎用OSのない専用コンピューターじゃないか

回り道をして結局そこに戻ることになる、と私も感じています。しかし値段が高すぎる!

PCオーディオは、現時点で「安価に良い音」を手軽に実現できる方法です。音品質の不安定さは安価なことのゼロサムの対価、だと思えばいいかも。

Reply
toposcope
06/10/2010 11:30pm

Violon_TD さんへの返答でクリーニングについて書いたのですが、あれはかなりマズい書き方だったので削除しました。

あらためて Violon_TD さんへ
私は Mac mini です。64bit起動しています。

> マシンによる音質の変化がかなりありそう
機種の違いというよりは、環境の違いの方が大きいような気がします。32bit と 64bit では違いますし、「メニューバーアイコンてんこ盛り」と「メニューバーアイコンひとつもなし(Spotlightアイコンもなし)」もかなり音が違います。

Reply

Your comment will be posted after it is approved.


Leave a Reply