追加訂正しました。6/11の記事は「外付け有利」を考慮していない問題がありました。


↓ 6/11 の間違いを含んだ記事

SSD 起動での音楽再生を試したのは Muse Labs で2名。その結果を書いておきます。

1人は私(toposcope)です。Mac mini を購入し、内蔵HDから1度起動しただけですぐに SSD に換装しました。何の疑いもなくずっと使っていたのですが、MLT を開発している段階で、私のところの音の様子がどうも他とは違うような感覚を抱くようになりました。とくに Black だと中低域より下が締まりすぎ、ピアノの高低弦の音色の描き分けができなくなります。SSD への疑いがつのり、念のため外付け HD から起動してみました。

すると驚いたことに、HD 起動の方があきらかに音が良いのです。グールドのバルティータの CD がレコードと同質の音がします(CD は米CBS Masterworks、レコードは米CBS3枚組 Masterworks 茶色レーベル)。この CD は SSD 起動ではソリッドで中域が薄くレコードとはまったく異質の音でしたが、外付け HD 起動ではレコードと同質のアナログ的な厚みと柔らかさが出てきました。Black でも高低弦の音色が描き分けられるようになりました。

あまりにもその違いが大きく、しかも SSD の方が悪い結果(好みではなく歴然とした優劣の差)になったので、もう1人のWさんに早速報告しました。Wさんにしてみれば、MacBook Pro を SSD に換装したことで HD の熱やアクセス音から解放されて、起動も速いので喜んでいたわけですが、外付け HD で「おそるおそる試した」ところ、私同様に HD 起動の「アナログ感をともなったリアリティ」「上質な真空管アンプのような音」にビックリしたとのことです。

「HD 起動ってこんなに良い音だったんだ」「SSD と比較していなかったら絶対に分からなかった」というのが、2人の共通した印象です。

しかしこうした体験から「SSDは音が悪い」と速断するのは、ちょっと違うような気がします。まず、HFS+ は HD を前提に作られていて、本当なら SSD は SSD に最適化したファイルシステムにフォーマットすべきです。でも Mac にはそれがないので HFS+ にするしかありません。そのため SSD がかえって音に悪い影響を与えてしまっている…そんな気がします(ただの推測ですけど)。

この結果はもしかすると私たち2人だけの特殊な事例かもしれませんが、「SSDの方が音が良いはず」というのを Mac では疑ってみてもいいかもしれません。

↓ 6/16 の追加訂正

コメントで chedi さんから「内蔵と外付けのクロス評価が必要」とご指摘を受けまして、やってみました。

HD:2.5inch FUJITSU MHZ2160BH G1(Mac mini 付属)
SSD:Inel SSDSA2MH080G2
これを交互にセンチュリーの「お立ち台」に刺して、Mac mini の外付けにします。
したがって単純な「内蔵/外付の場所だけの違い」で比較することになります。
各ドライブで起動し、Premium2 で CD を直接再生して、内蔵/外付の音を比較。

結果は…
 内蔵 SSD 起動 < 外付 HD 起動
 内蔵 HD
 起動 < 外付 SSD 起動

はい、chedi さんのご指摘通り「外付け有利」がはっきりと出ました!
これも微妙な違いなんかではなく、歴然とした優劣でした。どちらも外付けが圧倒的に良いです。

HD は内蔵にすると、途端に濁った平板な音になります。内蔵 SSD より悪いくらいです。しかし内蔵 SSD も決して良くはありません。SSD は外付けにすると、内蔵であれだけ締まりすぎていた音がすっかり治り、Black でも低域のゆったりした響きが普通に出てきました。

ということで、chedi さんに感謝です。

で、それじゃ「外付けで HD と SSD はどっちが良いのか」というと、まだよく分かりません。もうこれ以上 Mac mini を分解したくないです! これについては、今後の課題として、いずれ検証したいと思います。

ちなみに、係長さんは iMac で以前からずっと全部外付けにしています。理由は同じく「電源の分離」で、実は chedi さんより先に係長さんから指摘されていました。でもめんどくさくて…。スイマセン。
 


Comments

violon_TD
06/14/2010 2:57am

毎回、大変に興味深く読ませて頂いています。本業はどんなお仕事か?ということも含めて。
SSDについて質問です。Macbook Airがありますが、この音が良さそうに感じています。フォーマっティグも含めて何かご存知でしょうか?Yoshii9とMacbook、それにMLTで音楽を楽しんでいます。

Reply
toposcope
06/14/2010 4:28am

Muse Labs で Macbook Air を使っている人はいませんので、音の良し悪しの情報はこちらでも得られません。フォーマットは、Air も HFS+ で間違いないでしょう。

上記トピックで、ひとつだけ書き忘れたことがあります。それは「SSDではデフラグできない」ということです。これには諸説あってデフラグソフトで最適化されると言う人もいます。私は iDeflag というデフラグソフトを使っていますが、FAQページには「お奨めしません」とはっきり明記されています。
http://www.netjapan.co.jp/r/product_mac/id4/faq.php
デフラグできないとすると、音質の面ではかなり致命的です。この効果は Muse Labs の仲間内でもかなり驚きをもって受け止められまして、私は「音が治った」と感じたほどです。ですので、個人的にはやはり「SSDはお奨めしない」と考えています。

本業は、オーディオとはまったく関係ない仕事をしてます。ここで知ったようなことを書いちゃってますが、ズブの素人です! 鵜呑みにしないよう、お気をつけくださいな。

Reply
chedi
06/14/2010 10:27am

MLT、楽しませていただいております。

HDとSSDを比較するには、内蔵と外付けのクロス評価が必要だと思います。外付けにすると電源が分離されるので、音質的には有利だと思います。

このようなHD電源の品質の影響から逃れるためには、memory playが有効な方法だと思われますが、MLTに入れ込まれる予定はありますか?

Reply
toposcope
06/14/2010 5:18pm

> HDとSSDを比較するには、内蔵と外付けのクロス評価が必要だと思います。外付けにすると電源が分離されるので、音質的には有利だと思います。

ご指摘の通りですね。Mac mini は分解が大変なんですけど、近いうちにやってみますね。

> memory playが有効な方法だと思われますが

ファイルのバッファキャッシュを生成する、ということでしょうか。それでしたら MLT BufferCache がそのソフトです。Player にその機能を付与することはありません。それだけで著しく音質劣化しますので。そのくらいデリケートなんです。

Reply
chedi
06/16/2010 11:41pm

電源問題、取り上げていただいて、恐縮です。MiniはSATA延長ケーブルを使ったSATAポートの外出しが可能なのですが、やりすぎると破壊への途をたどる事になります。。。
CPUは、消費電力変動が思いのほか大きく、HDと共用すべきではない。そもそも、リアルタイム音だしのためには、CPU自体にも、コンピュータ側で用意された電源よりはるかに高品質で強力な電源が必要なのでは、というのがオーディオ側からの良識的見解です。
一見、このようなハード議論は本サイトの範囲外だと思われますが、実はソフト開発にも還流して来るというか、逆に「狙い目」になる可能性があります。HD/SSDの電源デメリット、ネットワークを組んでいる人にはNAS/ルーター/バブ/LAN配線の伝送デメリットから逃れるために、「1曲丸ごと実メモリー上においてからafplayする」というようなソフト開発が要請される所以はここにあると思っています。

Reply
toposcope
06/17/2010 9:02am

chedi さんのご指摘がなかったら、間違った情報を公開しつづけてしまうところでした。あぶなかった〜。ありがとうございます! オーディオで、とくにデジタル処理側は電源品質がなにより重要と認識していたつもりでしたが、まだまだどこかナメていたようです。

> MiniはSATA延長ケーブルを使ったSATAポートの外出しが可能
Mac mini より先にその延長ケーブルを買っておいたんですけど、よくよく考えて却下しました(笑

> CPU自体にも、コンピュータ側で用意された電源よりはるかに高品質で強力な電源が必要なのでは
そういうことになりますね。個人的には汎用機器である PC をそこまで音楽再生専用に特化させるのはどうなのかな〜と思ってしまいますけど。

> 「1曲丸ごと実メモリー上においてからafplayする」
これを1つの Player でやろうとすると、確実に音質劣化します。それも微妙な違いではないです。たとえばソースコードでクラスのスコープが1ヶ所違うだけでガクっと音質が劣化して、それは Muse Labs の中でしきい値が最も低い私ですら許容できないほどです(ほかの仲間はみんな重症なのでなおさらw)。以前は私も「この程度でそんなに音は変わらないだろう」と普通の GUI ソフトの流儀で作っていましたが、2年間の試行錯誤で「想像を絶したアホみたいに些細なことで音は変化する」という結論に至り、現在の MLT の仕様になったわけです。あれはメンドクサイとか手抜きじゃないんですよ〜

私としては、MLT BufferCache で複数ファイルを一気にまとめてオンメモリにしてから再生することをお奨めします。

Reply
RE3noRE
06/24/2010 2:01am

遅レスですみません。

以前USBメモリはセルの寿命を平均化するためにデータを各セルに分散させて記録させるというような記事を読んだことがあります。
これが正しければデバイスそのものがフラグメントを起こさせる仕様だということになります。
SSDもメモリへの書き込みですので,同じような問題が起きるかもしれません。

Reply
toposcope
06/24/2010 8:41am

RE3noRE さん
> セルの寿命を平均化するためにデータを各セルに分散させて記録
あ〜なるほど〜。
それでもアクセス時に他へ与える影響を考えると SSD は HD よりずっと少なそうですよね。

先日、お立ち台で SSD と HD の刺し替え検証をしました。これは「どっちが良い/悪い」という単純なものではなかったです。Mac のクリーニングとか環境の違いで「合う/合わない」になると思います。ウチでは HD の方が合いました。SSD は音が締まりすぎになって、音色が平板になります。クリーニングをしすぎた時の音です。ですから、クリーニングをまったくしていない環境では SSD の方が合いそうな気がします。

Reply
グイドグイディ
12/27/2010 10:46pm

初めてお便りします。
いろいろ有用な情報をありがとうございます。
外付けHDの音の良さは少し以前から私も気づいていました。しかも、HDによって音が違うように思います。というのは、最近LaCie の1Tや1.5TをFireWire400やFireWire800で繋いでみて、NetWork使用やUSB使用の格安HDとくらべると相当音に違いがあります。

ところで、私は仕事で殆ど英語を使う関係で英語のソフトを英語のOSで使う方が慣れている事もあり、PEAK LEを用いてLPのデジタル化をしていますが、とても気に入っています。ただ他のplayback softwareを使ったことが無いので比較試聴された経験がおありであれば一度コメントを頂くと幸甚です

Reply

Your comment will be posted after it is approved.


Leave a Reply